ランボルギーニ『セスト・エレメント』は、999kgという超軽量ボディに570psを発生する『ガヤルドLP570‐4スーパーレジェーラ』用の5.2リットルV10を組み合わせることにより、パワーウェイトレシオ1.75kg/psを実現しています。
その驚異的なパワーウェイトレシオにより、0-100km/h加速はわずか2.5秒という凄まじいパフォーマンスを発揮。
“0-100km/h加速2.5秒”という性能。これハッキリ言って市販車として一般に売り出すギリギリの数字でしょう。
しかし、実は世の中にはこの“0-100km/h加速2.5秒”という驚異的な性能を達成しているクルマがあります。
そのクルマとはブガッティの『ヴェイロン』。
2t以上もあるボディに8リッターの4ターボから1001ps/127kg・mという途方もないパワーを発生するエンジンを積んだ化け物みたいなクルマです。
なぜ『ヴェイロン』がこのようなとんでもないエンジンを積んでいるのか?
それは、最高速度で400km/hを超えるという目標があったからです。
400km/h以上という最高速度に耐えるため『ヴェイロン』はボディ剛性を極限まで上げました。そして剛性の確保により重くなったボディで400km/hという最高速度を達成するために“常識はずれなパワー”のエンジンが必要だったのです。
この『ヴェイロン』の方法論と同じ方向を向いていたランボルギーニは、今後まったく逆の道を進むということを決めました。
“常識はずれな軽量化”という武器を持ってまったく逆の道を進むためランボルギーニは、まず最高速度へのこだわりを捨てました。
300km/hを超えるスピードに達するためには強大なトルク(もちろんパワーも)が必要です。しかし、現実的には決して実用的ではない300km/hを超える最高速度にさえこだわらければ、現在あるパワーユニット以上のスペックを持つエンジンは必要がありません。逆に『セスト・エレメント』で示した999kgという車重を実現すれば「1.75kg/ps」というパワーウェイトレシオが実現可能で、最高速度以外の性能は、地球上の市販車で最高のスペックを誇る『ヴェイロン』と同等以上のパフォーマンスを得ることができます。
一方で、同じパワーウェイトレシオを達成するためにはこれまで、エンジンのスペックを上げることの方が軽量化することによって達成するよりも数段安上がりでした。エンジンパワーを上げることに比べ、相当の数字を達成するための軽量化技術というのはコストも含め大変ハードルが高かったのです。
“ニワトリが先か卵が先か”ではありませんが、ランボルギーニは、重量とエンジンパワー、そしてコストという複雑に絡み合う問題を次世代のカーボン技術の開発に成功したことによって一気に解決するための目途がたったのでしょう。
つまり今回のパリサロンで発表した『セスト・エレメント』は、ランボルギーニがエンジンパワーを上げるよりも効率的にパフォーマンスを上げられるほどの軽量化技術を手に入れたとういうアピールをするためのクルマなのです。
ランボルギーニの“超軽量化”というコンセプトは、今後のスーパースポーツの概念を根底から覆す可能性があると言えるのではないでしょうか。
流行に乗ってハイブリッドに夢中になっているフェラーリが心配です・・・。
ちなみに、噂ではそのネーミングに幻の名車『イオタ』を冠すると言われていましたが、どうやら今回は見送られたようです。ただし『イオタ』は『ムルシエラゴ』の後継車とされていますので、今回の『セスト・エレメント』とは別に存在する可能性もあります。もしくは『セスト・エレメント』こそ『イオタ』そのものか?
posted by JJmasa at 00:28
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